仮性近視

調節力を働かせていない状態で、焦点が網膜の手前で結ぶことを近視と呼ぶ。
一方、仮性近視は毛様体の過緊張状態により、一時的に近視と同じように焦点が網膜の手前で結ぶ状態である。
テレビ、パソコン、スマホといった眼を酷使した後はこのような状態になりやすい。
この仮性近視はどの世代でも多かれ少なかれ持っている。

処方例

ミドリンM点眼液を1日1回、寝る前に点眼する。
散瞳作用があるので必ず夜に使用
過緊張状態の毛様体筋を一時的に麻痺させる。

ミオピン点眼液を1日3~4回、点眼する。
調節機能を改善する。

添付文書より

ミドリンM点眼液

効能又は効果/用法及び用量

診断または治療を目的とする散瞳には1日1回、1回1~2滴宛、調節麻痺には3~5分おきに2~3回、1回1滴宛点眼する。

薬効薬理

1. 散瞳作用
トロピカミドは副交感神経支配の瞳孔括約筋を弛緩させ、散瞳を起こす。0.5%トロピカミド点眼液50μLを白色ウサギに点眼すると約15分後に瞳孔径は最大となり約2時間持続する。
2. 調節麻痺作用
トロピカミドを点眼すると副交感神経支配の毛様体筋(特にMuller筋)を弛緩し、調節麻痺を引き起こす。眼疾患のない7名に0.5%トロピカミド点眼液を1滴ずつ3分毎に3回点眼すると、20~30分で著明な調節麻痺が起こり以後急速に回復し、2.5時間で90%、24時間では完全に回復する。

ミオピン点眼液

効能又は効果/用法及び用量

調節機能の改善

用法及び用量

通常、1回2~3滴を1日4回点眼する。
なお、症状により適宜増減する。

薬効薬理

調節機能改善作用2)
健康人6名に0.001、0.005、0.01、0.1%の4濃度のネオスチグミンメチル硫酸塩点眼液を1回1滴、2分間隔で2回点眼し、5m視力、瞳孔径、調節光電図(PEAG)及び調節機能の検査を行った結果、0.005%以下の濃度でネオスチグミンメチル硫酸塩は、視力、瞳孔径に影響を及ぼすことなく、アコモドポリレコーダーを用いた調節時間反復測定における調節緊張・弛緩時間の有意な短縮とパターンの改善、並びにPEAGと微動調節の改善を示した。

更新日:2014年6月3日